COVID-19関連追加(2020618日)

JAMAより無症状のSARS-CoV-2感染の総説,NEJMよりCORRESPONDENCE2編,Lancetより家庭内における二次発症率のコホート研究とそのcomment2編.

 

【無症状のSARS-CoV-2感染について】

(1) Oran DP, et al. Prevalence of Asymptomatic SARS-CoV-2 Infection. Annals of Internal Medicine. Jun 3, 2020.

https://doi.org/10.7326/M20-3012.

 

Abstract

SARS-CoV-2は,201912月に中国・武漢でCOVID-19の最初の症例が観測されて以来,世界中で急速に流行している.現在進行中のパンデミックにおいて,無症状の感染者が重要な役割を果たしていることが疑われているが,その相対的な数や影響は不明である.著者らは,無症候性のSARS-CoV-2感染に関する利用可能なエビデンスを総合的に検討した.無症候性の人はSARS-CoV-2感染の約4045%を占めているようであり,ウイルスを長期間,おそらく14日以上にわたって他の人に感染させうる無症状の感染は,CTで検出されるサブクリニカルな肺の異常と関連しているかもしれない.無症候性感染者による水面下の感染リスクが高いため,検査プログラムには無症候性感染者を含めることが不可欠である.キャパシティやコストなどの制限がある従来の診断検査を補完するために,クラウドソーシングによるデジタルウェアラブル端末のデータ解析や下水汚泥のモニタリングなど,公衆衛生監視のための革新的な手法が役立つかもしれない

 

Key Summary Points

SARS-CoV-2に感染した人の約4045%が無症状のままである可能性があることから,このウイルスは,考えられていた以上に,人の集団を介して静かに深く拡散する可能性があることが示唆されている.

無症状の人は,SARS-CoV-2を長期間,おそらく14日以上にわたって他人に感染させうる

SARS-CoV-2に感染した人にCOVID-19の症状がないことは,必ずしも害がないことを意味するとは限らない.CTで認められるサブクリニカルな肺の変化の重要性を判断するためには,さらなる研究が必要である

SARS-CoV-2の検査プログラムの対象は,COVID-19の症状を持たない人も含めて大幅に拡大すべきである

COVID-19パンデミックの初期の数ヶ月間,典型的な病像は,ICUで息を切らし,人工呼吸器の必要性に迫られているような患者であった.これは2020526日の時点において,世界で348,000人以上の命を奪ったSARS-CoV-2の致死的な面である1).しかし,SARS-CoV-2は,ある人には悲劇的なほど致死的であるが,ある人には驚くほど良性であるという二面性を持っているようだ.

20202月以降2)3)SARS-CoV-2に感染したがCOVID-19の症状を発症しなかった人の報告がある.いくつかのケース4)5)では,このような無症候性感染者のウイルス量が有症候性感染者のウイルス量と同等であったことから,似たようなウイルス感染伝播の可能性が示唆されている.しかし,無症候性SARS-CoV-2感染の有病率は不明のままである.我々は、検査方法に言及しているすべての研究の中で,鼻咽頭スワブを用いたRT-PCRによるSARS-CoV-2感染検査についての利用可能なエビデンスを総合的に検討した.

このナラティブレビューの16のコホートからの多くのデータは大規模なランダム化研究から得られたものではない.これらの研究は一般的に,ある期間に限定されたコホート以上の描写を主張するものではない.また統計分析を目的としてこれらのデータを蓄積していない.しかし,これらのデータをモザイクやパッチワークのようなものとして見ると,SARS-CoV-2の発生や感染の影響に関する貴重な考察を提供してくれる.

無症状の感染者と単に前症状の感染者を区別することの難しさがつまずきの原因となっている.無症状者はSARS-CoV-2に感染していることは間違いないが,COVID-19の症状を発症することはない.一方,前症状者は同様に感染しているが,最終的には症状を認める.この難問を解決する簡単な方法は,個人を継時的に繰り返して観察する縦断的研究である残念ながら,我々が検討したコホートのうち,縦断的なデータが含まれているのは5つのコホートのみであるよって,無症状者の割合が報告よりも低い可能性があることを認識しなければならない

 

Methods

2020419日から526日までの間,COVID-19SARS-CoV-2symptomsasymptomaticのキーワードを用いて、米国国立衛生研究所医学図書館が管理するPubMedサービスを用いて,定期的に医学文献を検索した.また,Cold Spring Harbor Laboratoryが運営するbioRxivおよびmedRxivサービスを利用して未発表論文を検索した.さらに,Googleを用いてニュース報道を検索し,Twitterでシェアされた関連情報をモニターした.

 

 

Cohorts

https://www.acpjournals.org/na101/home/literatum/publisher/acp/journals/content/aim/0/aim.ahead-of-print/m20-3012/20200609/images/medium/m203012tt1.jpg

アイスランド

我々の検討の中で最大のコホート6)である.この研究で著者らは,SARS-CoV-2感染症のスクリーニングに次の2つの方法を用いた:@レイキャビクにて,希望者をオンラインで登録し,サンプルを提供してもらうためのopen invitation,A「20歳から70歳までの無作為に選ばれたアイスランド人」にテキストメッセージを送って参加者を募集.全体で13080人がスクリーニングを希望しそのうち100人(0.8%)がSARS-CoV-2陽性であった陽性と判定された者は全員が10歳以上であった10歳未満の子供848人のうち、陽性と判定された者はいなかった陽性者のうち,43人(43%)には検査時は無症状であった。しかし,著者らが指摘しているように,「症状はほとんど確実に後から発症したものもあった6)

イタリアのVo'

イタリア北部の町ヴォ(Vo')の当局による14日間のロックダウンの初日と最終日に,著者らは,第1回目のサンプリングで2812人の住民から鼻咽頭スワブを採取し,第2回目のサンプリングで2343人の住民から鼻咽頭スワブを採取した7)最初のグループではSARS-CoV-2陽性者73人のうち30人(41.1%)が無症状であり,最後のグループではSARS-CoV-2陽性者29人のうち13人(44.8%)が無症状であった.著者らによると,サンプリングの間の約2週間の間に,無症状者の中にCOVID-19の症状を発症した者はいなかったという.また,2回目のサンプリング時に新たに発生したSARS-CoV-2感染例は無症状者に対する曝露が原因であることが,接触者の追跡調査により確認された.Vo'における14日間の調査期間中,幼い子供はSARS-CoV-2の感染伝播には関与していないようであった同じ家庭内に感染者がいたにもかかわらず,010歳の小児234人において陽性者を認めなかった

ダイヤモンド・プリンセス号

202023日,ダイヤモンド・プリンセス号は,125日に香港で調子が悪い乗客を下船させた後(後にSARS-CoV-2陽性が判明),検疫のため日本の横浜に戻った8)316日の時点で,乗客・乗員3711人のうち712人(19.2%)が陽性であった検査施行時において陽性者のうち331人(46.5%)は無症状であった.後者の感染者は症状がないと報告されたが,実際には肺にサブクリニカルな変化が見られた者もいた.これらの感染者のうち76人にCT検査を行ったところ,54%に肺に陰影を認めた20)

221日時点で入手可能なデータに基づくindependent statistical modeling analysis 21)a Bayesian framework using Hamiltonian Monte Carlo algorithm)を用いて,ダイヤモンド・プリンセス号の無症状感染者の割合を推定した結果,17.9%という数字であった.しかし,無症状者のデータは215日から20日までしかなく,実際の無症状者の割合は検査日ごとに,56.7%,54.3%,70.7%,73.9%,86.1%,46.2%となっていることを考えると,この推計は不可解であろう.別のニュースアカウント22)では,この分析の共著者の一人が,「感染した一般人口の40%は何の兆候も示さない可能性がある」と推測したと報告されている.

ボストンのホームレスシェルター

マサチューセッツ州ボストンの大規模ホームレスシェルターで 5 日間にわたって COVID-19 感染者15人が認められたクラスターが発生した後,感染者をシェルターから隔離し,その後 2 日間にわたる全入居者に対してPCR検査を行った9)408人の入居者のうち,147人(36.0%)がSARS-CoV-2の陽性反応を示し,そのうち129人(87.8%)は無症状であった23).著者らは,「ホームレスシェルターでの症状スクリーニングのみでは,このハイリスク集団における相当数のCOVID-19症例を見逃してしまう可能性が高い」と結論づけた9)

ロサンゼルスのホームレスシェルター

328日,カリフォルニア州ロサンゼルスのダウンタウンにあるホームレスシェルターではじめてのCOVID-19症例が確認された.420日に感染者のクラスターが確認された後,シェルターは新規入居者の立ち入りを禁止し,現在の入居者を対象に検査が開始された.422日の時点で,178人の検査完了者のうち43人(24.2%)がSARS-CoV-2で陽性となり,陽性となった人のうち27人(63.8%)は無症状であった

ニューヨーク市の産科患者

2020322日から44日までの間に,ニューヨーク市の2つの病院で新生児を分娩した女性を対象に,SARS-CoV-2の検査を行った11)214人の患者のうち,33人(15.4%)が陽性と判定され,そのうち29人(87.9%)は無症状であった.著者らは,「産後退院前に発熱した患者は3人(10%)であった(入院期間の中央値は2日)」と報告している11).しかし,これらの患者のうち2人は子宮内膜炎と考えられ,抗生物質で治療された.

U.S.S.セオドア・ルーズベルト

アメリカの空母「U.S.S.セオドア・ルーズベルト」に乗船していたSARS-CoV-2感染の最初の症例は,2020322日に診断された24)424日の時点で,4954人の乗組員がウイルス検査を受け856人(17.3%)が陽性であった12)報道によると,陽性者の約60%は無症状であった25)隔離期間の延長後も,これらの無症状者の多くはSARS-CoV-2 PCRは陽性であった.米海軍の内部文書には,「14日間の隔離後の乗組員のPCR陰性化率から,我々は,無症状の宿主においてウイルスがどのようにして活性を維持できるかについてのアセスメントを再評価することになった」26)と記載された26)

シャルル・ド・ゴール空母

2020315日に停泊している間に船外の人と接触したフランス海軍艦船シャルル・ド・ゴール号の乗組員が,48日(接触後24日後)に初めてCOVID-19の症状が出現した27)410日,乗組員50人が検査の結果,SARS-CoV-2陽性であった.その後,1760名の乗組員全員が検査を受けた.418日時点で1046人(59.4%)が陽性となり,そのうち50%近くが無症状であった13)

中国・武漢から避難した日本人

202026日時点で,中国・武漢からチャーター便で合計565名の日本人が帰国した.そのうち13名(2.3%)がSARS-CoV-2の陽性反応を示し,うち4名(30.8%)は無症状であった36日時点で,無症状者のいずれもCOVID-19の症状を認めていない2)

スペイン,トルコ,英国から避難したギリシャ人

202032025日までの間に,スペイン,トルコ,イギリスから計783人のギリシャ国民が計7便で帰国した.40人(5.1%)がSARS-CoV-2が陽性であった14).検査時,39人(97.5%)は無症状であった.2週間後の追跡調査では,35人(87.5%)が無症状のままであった(Lytras T. Personal communication.

ワシントン州キング郡の介護施設入所者

202031日,ワシントン州キング郡の116床のskilled-nursing facility226日と28日に勤務していた職員がSARS-CoV-2の陽性反応を示した15)313日には,同施設の入所者82人のうち76人(92.6%)が検査を受け,23人(30.3%)が陽性となった検査時点で無症状者は12人(52.2%)であった319日と20日,以前は陰性であった者あるいは陽性だったが無症状または非定型的な症状であった者を含む49名の入所者が再検査を受けた.2回目の再検査では,24人(49.0%)が陽性であったこのうち15人(63.5%)は無症状であった中央値4日の追跡調査の後,無症状者27人のうち24人(88.9%)がCOVID-19の症状が出現した

著者らは,「検査結果が陽性であった入居者の半数以上は検査時に無症状であり,感染伝播に寄与した可能性が高い症状のある入所者のみに焦点を当てた感染制御戦略は,この施設においてSARS-CoV-2感染伝播を防ぐのに十分ではなかった.」と指摘している15)

アーカンソー州,ノースカロライナ州,オハイオ州,およびバージニア州の受刑者

いくつかの州の刑務所でCOVID-19が蔓延していることを受けて,大規模なスクリーニングプログラムが実施されている.ロイター通信の記者による調査16)によると,2020425日時点で,アーカンソー,ノースカロライナ,オハイオ,バージニアの各州の刑務所システムの受刑者4693人について,症状に関するデータを含むSARS-CoV-2検査の結果が入手可能であった.これらの受刑者のうち,3277人(69.8%)が陽性であり,そのうち検査時において3146人(96%)が無症状であった

ラトガース大学の学生と職員

著者らは,2020324日から47日までの間に,ラトガース大学と2つの提携病院から学生と従業員829人を募り,SARS-CoV-2検査を行った17)そのうち546人は医療従事者であった合計41人(4.9%)が陽性であった医療従事者では40人(7.3%)が陽性であったのに対して,他では1人(0.4%)であった.陽性と判定された人のうち,27人(65.9%)は検査を受けた時には無症状であったと報告されている.

インディアナ州居住者

2020425日から51日まで,インディアナ州保健局とインディアナ大学リチャード・M・フェアバンクス公衆衛生学部は,インディアナ州の住民4611人を対象にSARS-CoV-2の検査を行った18)28).この数には無作為に選ばれた3600人以上と,州の人口統計をより正確に表すアフリカ系アメリカ人およびヒスパニック系コミュニティへの奉仕活動を通して募集したボランティア900人以上が含まれている28)合計で78人(1.7%)が陽性であり,そのうち35人(44.8%)は無症状であった

アルゼンチンのクルーズ船の乗客と乗組員

20203月中旬,21日間の遠征を予定していたクルーズ船がアルゼンチンのウシュアイアを出港した19).クルーズ8日目に発熱した乗客が認められた後に船の旅程が変更され,最終的には13日目にウルグアイのモンテビデオに停泊した.乗客と乗組員217人全員が検査を受け,128人(59.0%)が陽性,うち104人(81.3%)が無症状だった

サンフランシスコ居住者

20204月下旬の4日間,サンフランシスコのミッション・ディストリクトにおいて,サンフランシスコ国勢調査地区229.1を構成する16平方ブロックの住民の半数以上を含む4,160人の大人と小児が検査を受けた29)74人(1.8%)が陽性と判定され,そのうち39人(52.7%)は無症状だった

 

Discussion

無症候性と前症候性を区別することを考慮するものの,縦断的に報告された5つのコホートのうち4つのコホートのデータは,無症候性のごく一部の人が最終的に症状を発症する可能性を示唆している.イタリアと日本のコホートでは,いずれの無症状者は症状を認めなかった.一方でギリシャとニューヨークのコホートでは,無症状者の10.3%が症状を呈した.ニューヨークのコホートでは,発熱した3人の女性のうち2人が子宮内膜炎と推定されたため,この数値は3.4%と低かったかもしれない.しかし,このコホートの観察期間は中央値で2日と非常に短かった.

キング郡のskilled-nursing facilityのコホートは例外的である.当初無症状だった27人の入所者のうち,24人(88.9%)が最終的に症状を発症したため,これらは前症状として再分類された.これらの感染者は,おそらく他の4つの縦断的コホートの感染者よりもはるかに高齢で,より基礎疾患を有していた.さらに,彼らは単一施設で共同生活をしていたため,感染者への繰り返しの暴露がありえた.COVID-19の自然史に関与する年齢と環境因子の影響を確認するためには,さらなる研究が必要である.

イタリアのVo'コホートは,無症状の人が実際にSARS-CoV-2を他人に感染させる可能性を示唆しており,またU.S.S.セオドア・ルーズベルト号の報告は,14日以上の長期間にわたってウイルスを他人に感染させうることを示唆している.これらの調査結果は,ウイルスが世界中に急速に広がっていることの一因を説明することができるかもしれない.一見健康にみえる,あるいは病気のように見える人は,症状がある人よりも他の人との交流がはるかに多い.無症状の感染伝播が真に一般的であるならば,症状のある人だけを検査するのは得策ではないのかもしれない.

ダイヤモンド・プリンセス号の乗客76人の無症状者のうち54%にCTにおいて肺にサブクリニカルな病変が見られたという事実は混乱する.この重要な所見を確認するためには,ダイヤモンド・プリンセスの乗客の年齢などの交絡因子を考慮した上で,さらなる研究が必要である.もし確定されるならば,この知見は症状がないからといって必ずしも害がないとは限らないことを示唆している.SARS-CoV-2感染は,すぐには明らかにならないわずかな肺機能の障害を引き起こす可能性がある.

U.S.S.セオドア・ルーズベルト号の乗組員は2030代が多いと思われるが,無症状の症例の割合が比較的高い(60.5%)ことは,若年者の無症状感染の可能性が高いことを示唆しているのだろうか?しかし,シャルル・ド・ゴール空母の無症候性感染者の割合(47.8%)は平均よりもわずかに高いように思われる.20191224日から2020224日までの中国・武漢からの症例検討には,湖南省のシーフードマーケットにおいて曝露したか,あるいは他のCOVID-19患者と濃厚接触した26のクラスターから78人の患者のデータが含まれていた30).無症状患者は,若く(年齢中央値[四分位間範囲]中央値,37[26-45] vs 56[34-63]歳;P0.001),女性の割合が高かった(22[66.7]女性 vs 14[31.1]男性;P0.002).

前述したように,ここで検討されたデータや研究は多くの点で完全ではない.無症候性SARS-CoV-2感染の理想的な研究はまだ行われていない.では,その研究はどのようなものになるだろうか?最も重要なことは,国立衛生研究所が現在募集している米国の血清調査と同様に,一般集団における大規模で代表的なサンプルを含まなければならないということである31).ここでは狭く定義されたコホートとは対照的に,全体のpopulationを正確に反映したデータを持つことが重要である.さらに,無症候性症例と無症候性症例を区別するためには,十分に長い期間にわたって縦断的なデータが収集されなければならない.

クルーズ船,空母,収容施設などの閉鎖型コホートには,長所と短所の両方がある.ウイルスに曝露される可能性が他の環境に比べて非常に高いため,参加者が受ける“treatment”は一様に近いものになる可能性がある.その結果,無症状感染の平均的な発生率についてより多くのことが分かるかもしれない.しかし,参加者間の相互作用が頻繁に重なり合う限られた環境では,接触者を正確に追跡し,ウイルス感染の連鎖を解明することは困難である.

代表的なサンプルを含む3つのコホート研究のうち,アイスランドとインディアナは参加者の無作為抽出によってデータが収集されており,イタリアのVo'はほぼすべての居住者のデータがあるため,無症候性感染率は4045%と高い可能性がある.これまでのところ十分に定量化されていない無症候性感染者の混入を考慮しても,保守的に見積もって30%以上であろう.いずれにしても,この無症候感染率が高いことは,主に症状のある症例に焦点を当ててきた現在の検査プログラムとは一致しない.症状のない人や曝露が不明である人に検査を拡大するだけでなく,保ウイルス者を同定することは困難であることから,マスクのような予防戦略を広く採用する必要があるかもしれない.

4つの州の刑務所において何千人もの受刑者の無症状感染率が96%というのは驚くべきことである.縦断的なデータがないため,無症候性の症例数を推定することはできない.しかし,もし欠落しているデータがイタリア,日本,ギリシャ,ニューヨークのコホートと同様であることを示した場合,これらの受刑者の大多数は無症状のままであることになる.では,なぜこのような状況で無症状の感染率が異常に高いのだろうか?

可能性のある要因としては,SARS-CoV-2の感染拡大の緩和因子として仮説があるベタコロナウイルスHCoV-OC43およびHCoV-HKU1による交差免疫が考えられる32).米国CDCによると,HCoV-HKU1201911月下旬から20202月中旬まで米国全土で感染が広がっていた33).刑務所のような閉鎖された施設では,伝染性呼吸器ウイルスが急速に拡散する可能性があるので,これらのβコロナウイルスに対する抗体を調べる血清検査サーベイランスを行うのは興味深い.それにしても96%というのは非常に高い数値である.出所のデータに誤りがないかどうかを注意深く確認するのが賢明であろう.

例えば,同じ年齢,性別,健康状態である2人がそれぞれSARS-CoV-2感染に対して異なる反応を示すのは,どのような個人差によるものだろうか?一人は何の症状もなく,もう一人は集中治療室で死に瀕しているのはどうしてだろうか?まだ,我々に回答はない.ち正確な医療が必要とするならば,それは私たち一人一人を形作っている無数のオミックス(Omics ※生体中に存在する分子全体を網羅的に研究する学問)を深く徹底的に理解することである.おそらく,SARS-CoV-2の治療法やワクチンは1種類だけではなく,その効果を最大限に発揮するように個別化されたものが開発されるだろう.

米国のようにSARS-CoV-2のパンデミックで最も大きな打撃を受けた国では,検査数を大幅かつ迅速に増やさなければならないことが以前から明らかになっていた.SARS-CoV-2に感染した人の大部分には症状がないという新たな知見が得られたことで,検査数を増やすことの緊急性はさらに高まっている.

“完璧な”世界では,おそらく,まだ構想段階にあるシンプルで正確で安価な技術を使って34),毎日一人一人にSARS-CoV-2の検査を行うことになるだろう.それが可能になるまでは,革新的な監視戦略が公衆衛生当局に有用なデータを提供してくれるかもしれない.インターネットに接続された体温計やスマートウォッチで心拍数をモニターし,その結果得られたデータをクラウドソーシングすることで,カリフォルニア州公衆衛生局や米国CDCが報告しているインフルエンザ様疾患の発生率を正確に予測できることが示されている35)-37).同様に下水汚泥をモニタリングすることで,“SARS-CoV-2 RNA濃度は,COVID-19検査データよりも7日間先行しており,地域の入院データを3日分リードしていた38)”と報告されている.

我々が検索した無症候性SARS-CoV-2感染の有病率の数々のデータから,無症候感染がCOVID-19パンデミックの急速な進行の重要な要因であることが示唆される.医療および公衆衛生対策は,この課題に対処するために修正されるべきである.

 

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(2) Sakurai A, et al. Natural History of Asymptomatic SARS-CoV-2 Infection. N Engl J Med. June 12, 2020. doi: 10.1056/NEJMc2013020

 

日本の藤田医科大学からの報告.SARS-CoV-2の無症候性感染の自然経過に関する情報は依然として少ない.クルーズ船“ダイヤモンド・プリンセス”でのCovid-19の発生により,乗客・乗組員3711人のうち712人がSARS-CoV-2に感染し,これらの感染者のうち410人(58%)が検査時に無症状であった.我々は,このコホートの一部の無症候性SARS-CoV-2感染の自然経過を報告する.

検査時点で無症状であったSARS-CoV-2感染者96人は,船内で陰性と判定された32名の客室乗務員とともに,219日〜26日までの間にダイヤモンド・プリンセス号から日本の病院に移送され,継続観察された.この96人のうち11人にCovid-19の臨床徴候や症状が現れたのは,最初のPCR検査が陽性となってからmedian 4日後(IQR, 35; range, 37日)であり,無症状感染ではなく前症状感染であったことを意味している前症状であるリスクは年齢の上昇とともに増加した(年齢が1歳上昇するごとに前症状であることを示すオッズ比, 1.08; 95% CI, 1.011.16.船内で PCR 検査が陰性であった客室乗務員 32 人のうち 8 人は,病院到着後 72 時間以内の PCR 検査が陽性であったが,無症状のままであった.無症状の SARS-CoV-2 感染者とは,PCR 陽性検査の時点で無症状であり,感染が消えるまで(2 回連続してPCR 検査が陰性)無症状のままであった者と定義された90 人のデータを解析することができた.

無症候性SARS-CoV-2感染者は乗客58名,乗務員32名で,median 59.5歳(IQR, 3668; range, 977歳)であった.このうち24人(27%)は高血圧(20%),糖尿病(9%)などの基礎疾患を有していた.病院での最初の PCR 検査は,船上での最初の陽性 PCR 検査から平均6日後に実施された.最初の PCR 陽性検査(船上または病院での検査)から 2回の連続陰性検査のうち最初の1回目までの日数の中央値は9日間IQR, 611 ; range 321 日)であり最初の PCR 陽性検査から8日後15日後に感染が消失した者の累積割合は,それぞれ48%90%であった感染消失遅延のリスクは年齢の上昇とともに増加した3668歳の年齢上昇に対する平均消失遅延日数, 4.41; 95CI2.286.53)(Figure 1

このコホートでは,無症状感染者の大多数は感染の経過を通して無症状のままであった感染が消失するまでの時間は,年齢の上昇とともに増加した

https://www.nejm.org/na101/home/literatum/publisher/mms/journals/content/nejm/0/nejm.ahead-of-print/nejmc2013020/20200612/images/img_xlarge/nejmc2013020_f1.jpeg

Figure 1: SARS-CoV-2 感染の無症状者の RT-PCR 検査におけるCp

解析には,病院でSARS-CoV-2に対するPCR検査が少なくとも 1 回陽性であった人が含まれている.RT-PCRでは,増幅による蛍光シグナルがバックグラウンドの蛍光レベルを超えるサイクル数を,機器メーカーによって異なるCp値(交差点),Ct値(閾値サイクル),またはその他の指標として決定する.値が低いほど,標的ヌクレオチド配列のコピー数が多いことと相関する.

 

 

 

 

【家庭内におけるCOVID-19の二次発症率と決定因子】

(1)Jing QL, et al. Household secondary attack rate of COVID-19 and associated determinatnts in Guangzhou, China: a retrospective cohort study. Lancet Infect Dis. June 17, 2020.

https://doi.org/10.1016/s1473-3099(20)30471-0.

 

Background

202068日時点で,世界で報告されているCOVID-19感染者数は700万人以上に達し,40万人以上が亡くなっている.SARS-CoV-2の家庭内伝播力は明らかではない.中国広州市の家庭および非家庭の濃厚接触者におけるSARS-CoV-2の二次発症率について,統計学的感染伝播モデルを用いて推定した.

Methods

この後ろ向きコホート研究では,広州市CDCの包括的な接触者追跡データセットを用いて,家庭および非家庭の接触者間でのCOVID-19の二次発症率(感染した人が感受性のある人に感染させる確率)について統計学的感染伝播モデルを用いて推定した.2つの異なる家庭内接触の定義を考慮した;居住地住所に関係なく,両親や義父母のような家族や近親者である人,そして関係を問わず居住地が同じである人.以上を踏まえて,潜伏期間中の感染伝播の決定因子COVID-19の感染力を評価した.

Results

202017日〜218日までの間に,SARS-CoV-2感染者349人が広州市CDCに報告されたが,そのうち19人(5%)は無症状であった.接触者追跡では,195の血縁関係がない濃厚接触者群(一次感染者215人,二次または三次感染者134人,感染していない濃厚接触者1964人)が確認された.濃厚接触者群の規模はmedian 6人(IQR, 4-10; range, 1-274)であった.これら195の濃厚接触者群のうち13871%)では,二次感染者は確認されなかった症状発症から入院あるいは検査で確定までの期間は,一次感染者の方が二次感染者よりも長く,2月よりも1月の方が長かった.一次〜三次感染者349例中,最も多かった症状は,発熱(258例[74%]),咳(207例[59%]),倦怠感(74例[21%]),咽頭痛(60例[17%]),悪寒(55例[16%]),筋肉痛(51例[15%])であった.349例中238例(80%)にレントゲン異常が認められた

COVID-19の患者のほとんどは成人(2059; Table 1)であった.一次感染者の大半(215人のうち158[73])と二次感染者の半数近く(134人のうち66[46])が最近湖北省に渡航または居住したことがある(以下,imported caseと言う).全体のデータに基づく二次発症率は,家庭内を近親者に基づくものとした場合,家庭内接触者では13.2%(95% CI, 10.9-15.7,非家庭内接触者では2.4%1.6-3.3)であった家庭内のデータに基づく二次発症率は、最も若い年齢群(20歳未満; 5.2%[95CI, 2.4-9.7])が,20-59歳群(14.8%[95CI, 11.7-18.4; p= 0.0009)および最高齢群(60歳以上; 18.4%[12.5-25.6%]; p= 0.0003)に比べて低かった.非家庭内接触者においても同様の結果であったが,各年齢群間の差は統計的には有意ではなかった.二次発症率は男女間において有意差を認めなかった.20201月から2月にかけて,家庭内・外で二次発症率の推定値が減少した(いずれもp< 0.0001).家庭を居住地の住所で定義した場合,データに基づく二次発症率は家庭内接触者では17.2%(95CI, 14.1-20.6)に増加し,非家庭内接触者では2.6%(1.9-3.6)であった

 

Table 1:

 

COVID-19症例の多くは,越秀,リワン,海珠,天河,白雲などの人口密度の高い地区(広州の総人口の56%が居住している)で報告されている(Figure 1.二次感染者(三次感染者またはそれ以上の世代を除く)が5人以上ある4つのクラスターが確認され,そのうち1つのクラスターは越秀区,海珠区,白雲区,番禺区で確認され,これらのクラスターの一次感染者はすべてimported caseであった(Figure 1B-D最も長い感染伝搬連鎖は,番禺区で発生した一次感染者の後に3世代続いていた(Figure 1D他の5つのクラスターは一次感染者に続く2世代の感染者が認められた(Figure 1B1C.同じクラスター内で報告された一次感染者と二次感染者の居住地はほとんどが同一であったが,非家庭内の二次感染者の中には一次感染者から離れた地域に居住していた例もあった.ほとんどの感染伝播は家庭内で発生した

 

Figure 1:

 

最初のimported caseである一次感染者は202017日に症状を認め,2020113日に広州に到着した.すでに広州では少なくとも2人のimported caseが報告されていたが,現地で最も早く発症したのは2020116日であった.武漢でロックダウンが実施された4日後である2020127日頃に広州での流行と同時期に,imported case数のピークを迎えた(Figure 22020127日以降はimported case数が減少し,流行は急速に衰退し,2月中旬には散発的な感染者のみが報告された.流行の初期段階では,実効再生産数(Rt)はシナリオ31.4,シナリオ2では1.2前後,シナリオ1では0.7と推定された.すべてのシナリオにおいて,2020127日までにRt0.5未満に低下しており,広州の規制強化を反映したものと思われる

 

Figure 2:

 

一次感染者は認めるものの,接触が記録されていない12の濃厚接触群,全員(無症状の一次感染者2人と未感染者2人)が広州に1日しか滞在していない1つの濃厚接触群,年齢または性別に関するデータが欠落している接触者25人を除外した.このようにして,182の濃厚接触群で合計332人(有症状317人,無症状15人)と未感染接触者1937人が感染伝播の解析に含まれた.我々は,平均潜伏期間が47日間,最大感染性期間が131622日間の組み合わせについて,家庭内接触者と非家庭内接触者の二次発症率を推定した.流行期前後におけるモデルによる感染者の予測数がわずかな差異があるものの観察数と一致したため,これらの設定に対する適合度の評価ではすべてのモデルがデータに十分に適合していると考えられた.

平均潜伏期間を5日間,最大感染期間を13日間と仮定し,家庭内接触を感染者との隔離を行わなかった近親者に限定した場合,推定二次発症率は,家庭接触者で12.4%95% CI, 9.8-15.4%),非家庭接触者で7.9%95% CI, 5.3-11.8%)であった長い潜伏期間であるほど,短い潜伏期間よりも二次発症率の推定値がわずかに低く,そして長い感染性期間であるほど短い感染性期間よりも二次発症率の推定値がわずかに高くなったTable 2.異なる平均潜伏期間と最大感染性期間を考慮した場合,二次発症率は家庭内接触者では11.4%(95% CI, 9.0-14.2)から18.0%(13.9-23.0)まで,非家庭内接触者では7.5%5.0-11.2)から12.2%(8.0-18.1)まで変化した.一次感染者との観察された接触頻度に基づく推定local R0.595% CI, 0.41-0.62)であり,想定される潜伏期間や感染性期間によらなかった(insensitive).このように広州市では典型的なケースは平均0.5人を感染させる.これは管理下においては感染が非効率的であることを示している.感染者の隔離や接触者の検疫が行われていない場合の予測されたlocal Rは,近親者に基づいて家庭内を定義した場合,0.695% CI, 0.49-0.74)であった.予測されるlocal Rの高い推定値は,潜伏期間の短縮と感染性期間の長さに関連していた.家庭内を近親者で定義した場合,潜伏期間における1日における感染伝播の起こりやすさ(probability)は発症期間における起こりやすさと同様であった(推定OR 0.61 [95% CI, 0.27-1.38], Table 3).しかし,より長い潜伏期間を想定した場合には,その差はより大きくなった(Table 3

 

Table 2:

 

 

Table 3:

 

60歳以上の人は,SARS-CoV-2感染症に最も感染しやすい群であったTable 4平均潜伏期間を5日間,最大感染性期間を13日間と仮定した場合,最高齢者群(60歳以上)と比較して,最年少者群(20歳未満; OR 0.23 [95% CI, 0.11-0.46]),2059歳群(0.64 [0.43-0.97])では感染リスクが低かった人から人へのウイルス浸透性は,時間の経過とともにある程度低下した(2 vs 1, OR 0.42 [95% CI, 0.17-1.07].これらの推定ORは,疾患の自然史に関する仮定に対してinsensitiveであった.1日毎の感染伝播の推定された起こりやすさ(probability)は,6人以下の世帯では,大規模な世帯(6人以上)に比べて2倍高かった年齢と感染力の関連性はなく,性別と感受性あるいは感染力の関連性は認められなかった

家庭内接触者を,血縁に関係なく一次感染者と同じ住所に住んでいる人に限定すると,家庭内接触者では16.1%95% CI, 12.5-20.4)〜24.3%18.5-31.2)と二次発症率の推定値が高くなったがCOVID-19の自然史の様々な状況(すなわち,平均潜伏期間と最大感染性期間)の下においては,非家庭内接触者の推定二次発症率は,6.8%(5.0-9.2)〜9.3%(6.5-13.1)と低くなった潜伏期間を5日間,感染期間を13日間と仮定した場合,推定二次発症率は家庭内接触者で17.1%95 CI, 13.3-21.8),非家庭内接触者で7.3%(5.4-9.9)であった(Table 2発症期間 vs 潜伏期間における,年齢とウイルスの相対的な感染力の影響は同様であり変化しなかったTable 4

 

Table 4:

 

 

Discussion

中国南部の最も人口の多い都市である広州市におけるSARS-CoV-2の時間空間的な疫学および感染伝播力を,1月上旬から20202月中旬までの期間にレトロスペクティブに解析した.Rtの急激な低下は,広州市で実施された規制強化の効果を示している1月から2月の間に観察された家庭内感染伝播の起こりやすさ(probability)が1/2に減少したことが示すように,ソーシャルディスタンス個人の潜在的な行動変容も,家庭内の接触パターンをシフトさせた可能性がある.さらに,宿主の特徴と病期が感受性と感染力に及ぼす影響を評価した.COVID-19は,少なくとも潜伏期間中と発病期間中は同程度の感染力を有しており高齢者(60歳以上)はSARS-CoV-2の家庭内感染において最も感受性が高い(脆弱性がある)ことが明らかになった

家庭内接触を居住地の住所で定義した場合,広州の接触追跡データのモデルベースの推定二次発症率は17.1%であり,これは同じ世帯定義の下でのデータベースの推定二次発症率,たとえば深圳の14.9%,広州の10.2%よりも高い.しかし,これらのデータに基づく推定二次発症率は,隔離などの管理下での感染伝播力を反映しているのに対し,我々のモデルに基づく二次発症率の推定値は,感染者の全感染性期間中の曝露を想定したものであり,より疫学的に関連性が高く,一般化しやすい

SARS-CoV またはMERS-CoVモデルベースの家庭内における推定二次発症率は得られていないが,少数の研究において,家庭または同等の環境でのデータベースにおける二次発症率の推定値が報告されている.SARS-CoVの二次発症率は,北京,香港,シンガポールでは4.6-8.0%と推定されている.しかし,発症期間中の1日毎の感染伝播の起こりやすさ(probability)は,SARS-CoV0.013 [95% CI, 0.011-0.016]),そしてSARS-CoV-20.016 [0.008-0.029])と同程度である.サウジアラビアのいくつかの都市世帯を対象とした研究では,家庭内の二次発症率は4%(95% CI, 2-7)であった.サウジアラビアのリヤドにある24のヴィラからなる駐在員寮に住む女性労働者828人のアウトブレイクでは,7つのヴィラの19人の労働者が感染した.感染したヴィラを一次感染者1人が含まれる平均34.5人の世帯とみなした場合,二次発症率は5.1%95 CI 2.8-9.0)と推定された.

我々は,COVID-19の潜伏期間中の感染力を家庭内のデータを用いて定量化したが、疫学的根拠はすでに発表されている.一次感染者の潜伏期間中の二次感染者への感染は,ドイツと中国で報告されている.中国国内外の77組の感染者ペアを分析した結果,全感染イベントの半数近くが潜伏期間中に発生した可能性があると推定されている.一方SARS-CoV のウイルス排出は発症から6-11日後にピークとなり,無症状で軽度の MERS-CoV 症例は非効率的に感染するという仮説が立てられており,これら2つのコロナウイルスの感染には症状が重要であることが示されている.この知見は,潜伏期間における感染者を特定して,隔離するために,COVID-19 の濃厚接触者を検査することの重要性を示している.あるいは,発症期間におけるSARS-CoV-2の推定された感染伝播の起こりやすさ(probability)が潜伏期間よりも低いのは,一次感染者が症状を発症した際に,家庭内で自己隔離したことに部分的に起因している可能性がある.感染伝播モデルで計測された感染力は,ウイルス排出という生物学的プロセスと社会的接触のプロセスの両方を考慮しており,我々のデータではこの2つのプロセスを分離することはできない.

我々は,SARS-CoV-2local Rは比較的低く(約0.5),平均Rtと一致すると推定した.

そして感染者の隔離や接触者の検疫を行うことなく,平均潜伏期間が5日間と仮定した場合,localな再生産数(local R)は約20-50%高く,0.6-0.76に増加すると推定した隔離されていない状態でのsubcritical local RR1)は,11日あたりの平均接触数が少ないことに起因しており,広州市で実施された厳しい検疫対策の結果であると考えられる.隔離の効果は中程度と思われるが,潜伏期間中のウイルス感染力の高さを考慮すると,無症状の接触者を隔離することで,より多くの感染を防ぐことができたと考えられる.

この研究にはいくつかのlimitationがある.このモデルは,推定潜伏期間が長いほど,この期間の推定感染力が高いことと関連していることを示唆しているが,感染者が発症した後に濃厚接触者が急速に隔離されたことに起因している可能性がある.発症期間に感染伝播がほとんど起こらなかった場合はデータの不足によるbias生じる可能性がある.さらに,無症候性感染者の感染力を定量化することができなかった.これは,家庭内感染の解析に含まれていた無症候性感染者15人のうち2人のみが一次感染者と考えられたためである.濃厚接触者は14日間隔で2回しか検査しなかったため,無症状感染者を見逃してしまった例があったかもしれない.また無症状感染者が潜伏期間中に有症状感染者と同じ感染力を持つという我々の仮説は現実的ではないかもしれない.さらに,imported caseである一次感染者の中には,局所で感染していた可能性もあり,また無症状・有症状感染者の中には接触者追跡や検査が偽陰性であったことによる見逃した症例があったかもしれず,Rtや二次発症率の過小評価につながる可能性がある.

潜伏期間のCOVID-19の感染力は高く,パンデミックを抑制することの困難さを目の当たりにする.包括的に接触者を追跡し,検疫を併用した積極的な感染者の発見と隔離は,潜伏期間における感染拡大を防ぐために有用であり,人の移動や混雑に対する社会的な制限が解除された場合には,これが重要になるだろう曝露した接触者を隔離し,軽症者に家族から隔離するための快適な施設を提供することは,家庭内での感染伝播を抑制するための重要な戦略となりうる

 

 

(2)Pitzer VE, et al. Household studies provide key insights on the transmission of, and susceptibility to, SARS-CoV-2. Lancet Infect Dis. June 17, 2020.

https://doi.org/s1473-3099(20)30514-4.

 

The Lancet Infectious Diseasesに発表されたQin-Long Jingらの研究は,COVID-19の一次感染者からの感染に影響を与える因子とその近親者の感受性についての重要な知見を提供している1)

広州市CDCが中国の広州で行った接触者追跡の努力により,Jingらによる包括的な分析が可能になった.サーベイランスでは60歳以上の高齢者がCOVID-19と診断された症例の中で不均衡な割合を占めていることが示されている2).しかしながら,この観察は高齢者が感染する可能性が高いことや,若年者よりも症状の重症度が高く,診断されやすいということを反映しているかもしれない.Jingらによる,この後ろ向きコホート研究では,一次感染者(全年齢)の濃厚接触者が特定され,1日目と14日目にRT-PCR検査が行われ,検疫された1)最高齢者層(60歳以上)と比較して,SARS-CoV-2の家庭内感染伝播リスクは若年層で低く20歳未満ではオッズ比OR 0.23 [95% CI, 0.11-0.46]20-59歳ではOR 0.64 [0.43-0.97]),20歳未満の接触者は5%しか感染していなかったことから,年齢が高いことが曝露による感染リスクの増加と関連していることが示唆された1)

家庭内の研究は,はっきりと特定された濃厚接触者のコホートにおける感染を研究する優唯一な機会を提供するが,感染イベントが見過ごされている可能性がある.例えば,フォローアップ検査のおける2週間に回復した無症状感染者は検出されないことになる.この研究では,SARS-CoV-2 の他の研究(1318%3)4)と比較して,無症状の接触者における感染の比率は5%と低かった1).これは,二次発症率の過小評価につながる可能性がある.

SARS-CoV-2の二次発症率はインフルエンザとは同等であり7)SARS-CoVの約2倍と推定されている5)6).しかし,1日毎の感染伝播の起こりやすさ(probability)はSARS-CoVと同程度であったSARS-CoV-2SARS-CoVの主な違いは,SARS-CoV-2では発症前の潜伏期間中に感染する確率が非常に高いのに対し1)8)SARS-CoVでは症状発現前に感染することはほとんどないことである6)

武漢からの流行が確認されて間もない2020123日,広州では厳しい検疫対策が実施された.この対策が集団レベルでの SARS-CoV-2 感染にどのような影響を与えたかを明らかにするために,Jing 氏らは実行再生産数(Rt)を,感染者1人あたりの平均接触者数に,流行の各日における接触者への感染確率を乗じたものとして算出した1).このアプローチは,集団レベルのデータからRtを推定するために一般的に用いられる統計的手法とは異なる10).全ての接触者,そしてすべての無症状感染者が同定されたために,Jingらによる算出はいずれのシナリオにおいてもRtを過小評価するかもしれない.広州で確認された全感染者の50%以上が一次感染と考えられていたこと(すなわち,暴露源が不明であるか,または広州以外で感染したと考えられていたこと),無症候性の感染の割合が低いことを考慮すると,これらの仮定が完全に満たされていたとは考えにくい1).さらに,このアプローチでは暴露源が特定されておらず,広州で確認された全症例の16%を占めている地元の一次感染者(すなわち,最近湖北省に移動したか,湖北省に居住していない一次感染者)を考慮していない1)それゆえ,これらの推定はRtを過小評価し,広州における検疫対策を過大評価しているかもしれない

この数ヶ月間でSARS-CoV-2の感染に影響を与える要因の理解は一層深まっている.慎重に収集された接触追跡データを検討したこの研究から,感染と感受性のリスク因子を理解することができる。また,これらの知見は前症状感染の重要性,および高齢化と感受性の関連性を確認し,介入戦略に情報を提供すべき重要な考察となっている

 

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